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管路3つの見える化

管路「障害」の見える化:管路施設の障害情報(破損・クラック・不陸蛇行・付着堆積ほか)を、TVカメラ調査などの「視る」調査で、見える化する
管路「劣化」の見える化:管路施設の実際年齢(健全度・破壊荷重等)を、「叩く」調査で、見える化する
「不明水」の見える化:管路施設の不明水(浸入水)分布や時系列変化を、「量る」調査で、見える化する

これら3つの見える化と、事故・維持管理履歴が、アセットマネジメントに必要な基本情報である

健康診断5つの条件

網羅性:調査費用が高いからといって調査対象をあらかじめ絞るのは本末転倒。経年分類はあっても網羅することが原則
定期性:数年単位の定期検査が健康診断の基本。時系列なビッグデータによる統計解析が予防保全の要である
迅速性:リスク管理には網羅性と迅速性が必要不可欠。網羅と定期性確保には、検査の日進量を飛躍的に伸ばす必要がある
経済性:廉価でなければ健康診断は膾炙しない。スクリーニングの社会性に見合うコストが要求される

健康診断基準:
4つの要点を満たすための診断基準 
①健全・要詳細調査判定 
②詳細調査区分判定(改築交換・改築更生・一体修繕・部分補修・浚渫清掃等の維持管理・経過観察)

国交省B-DASH事業・ガイドラインからの出発
ビッグデータカルテによる、ストックマネジメントの将来を見据え、今般、国のガイドラインとしてスクリーニング技術がその端緒として紹介された。非常に喜ばしいことである。

劣化や障害の履歴は、経年変化や時系列で管理する必要がある。たとえば、経年管(たとえば20年以上)の劣化管理において、10年ごとに検査することを考えた時、その規模から逆算する形で、スクリーニングに望ましい費用と日進量が計算される。

網羅性を考える端緒が1km/日で、まずこれに向かい、更に3km/日以上へ伸ばすことが目標になる。逆に、網羅性を考えないバッチサンプルによる統計的な処理対応は、調査のための調査にならないよう注意が必要である。現状は技術が追い付いていないが、近未来は拓けている。

スクリーニングの本義は、健康診断と同じく、健康であるものと健康とは言えないものを選り分けることにある。健康でないもの中に、見るまでもなく治療が必要な段階があり、スクリーニングにおける診断基準は、健康・そうでないもの・要治療の3段階判定があり、詳細調査の基本は、そうでないものと要治療対象から、症状や徴候を見つけ出し、予防保全を含む対策を立てるためにおこなう。

そのためには、検査装置のさらなる開発もさることながら、スクリーニングに対応する簡易判定基準が必要であろう。